劇団SnowGrouse はじまりのstory(大学生 音渡津 暁美さん)
そんな中、部長が常々言い続けていたことがある。
それは、ミュージカルをもっと広めたいということだ。
ミュージカル部には大会がない。ミュージカル部自体も少ないのだ。
近年勢いを増すダンス部のように、あって当たり前のものにしたい。
確かに、歌や、ダンスなど、ハードルが高く感じるのかもしれない。下手な演技はダサいと思われてしまうのかもしれない。
しかし、どれも上手くある必要はないし、高度な曲や踊りを習得しなくてはならないという制約はない。そして私たちはただ演じているのではなく役を生きているのだ。
ミュージカルを行うためには、想いを伝えることに一生懸命なだけで良いのだ。
それを知ってほしい。観客として舞台を創る側として、受け取ってもらえる機会を作りたい。
これが、私たちがコロナ禍でも、あえて劇団という形を取り名乗る理由である。
覚えているだろうか。
私たち劇団員は初め全員が素人であり、演劇部での出会いを経て、ほとんどが演劇以外の進路を選んだ。
つまり、ミュージカルというのは決して特別な選ばれた人だけが出会えるものではなく、他を犠牲にして行うものでもなく、ただ日常のすぐそばに在るものなのだ。日常のすぐそばで、紡ぎ続けられるものなのだ。
観るのも演じるのも、あなたが思い立てば、すぐにでも出来るくらい、実は身近に在るのだ。
それを、どうか知ってほしい、感じてほしい。
私たちの活動は、劇場だけのものを想定していない。
コロナの影響もあるが、それ以前にもっとふらっと寄れる公演が行いたいと考えていたからだ。学校で、老人ホームで、お祭りで、そこら辺の道で。誰もが普段使うような場所で、劇場に来られない人もミュージカルに縁がないと思っている人も、魅せられるように。
だから、私たちは劇団を名乗る。
日常と舞台を両立するものとして在れるように。
そうして貴方のそばに夢を届けられるように。
願わくは、舞台というものが貴方の日常を彩る1つの選択肢となるように。
私たちは旗揚げ公演も出来ていない、まだまだ未熟な劇団です。
しかし、いつか、ミュージカルが気軽に選択していただけるその日を目指してひた走ってまいります。もし、あなたが、ミュージカルを観る機会を持ったら、肩の力を抜いて気軽に足を運んでみてください。きっと素敵な時間を過ごせると思います。
ふらっと観に行った舞台を話のネタにカフェでお茶をしていただければ、嬉しい限りです。
終わりの見えないコロナ禍、心のすり減る厳しい日々が続きます。耐え抜いた先にある日常の一コマ、舞台でお会いできることを劇団SnowGrouse一同、楽しみにしています。