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劇団SnowGrouse はじまりのstory(大学生 音渡津 暁美さん)

劇団SnowGrouseは、この演劇部の同期で構成されている。

団長は元部長であり、学内でファンレターをもらうほどの人気を誇った男役だ。

元副部長は現役音大生であり、高音を得意とする圧倒的な歌唱力を誇った歌姫だ。

役に寄り添う歌と演技が魅力でお洋服が好きな皆の姐さん、普段は明るくお茶目でも舞台に立てばかっこいい役者、手先が器用で大道具小道具も作れる父、幅広い年齢の役をこなすメイクが得意な演出家、周囲を圧倒する熱量で観客の心を掴むカメレオン役者、唯一無二の存在感で世界観の構築に大きく貢献する声優の卵、儚く響く透き通った歌声と強い芯を持った演技が強みの役者、自ら夢を創り演じる脚本家、ダンスと殺陣を得意とする役者

十人十色ならぬ十一人十一色である。

(筆者は小説を初めて書くため上手に言葉が紡げないが、実際は書いた5倍ほどの素晴らしさが各役者にあるため、ぜひ一度私たちの舞台を観に来ていただきたい。)

ここまで読んで疑問を持った人もいるかもしれないが、私たちには、宝塚のような女役男役の境はない。表役者と裏方の区別もない。

自分たちが出来ることを持ち寄って、得意で助け合い不得意は補い合い舞台を創っている。これは他の劇団ではあまり見ない形態なのではないだろうか。公演毎に舞台で担う役割は変わる。そのため、基本的に裏表を問わず、全員がある程度の仕事内容は知っている。

もちろん、得意故に専任化している役割や人によって苦手や出来ない役割も存在する。ただ、知っているということは、それだけ協力がしやすく、舞台に携わる全ての人に敬意を払うことが出来ると考えている。

同時に、ミュージカルに関係ないような好きなことが、意外と役立ち、繋がることを知っていただけると嬉しい。

ところで、ミュージカルを行う部活には目指すべき大会等がない。演劇の大会は多いがミュージカルの大会はとても少ないのだ。

それに加えて、部活の成り立ちと都合により、演劇部を名乗りながらミュージカル部であるという少々変わった部活であるため、演劇の大会にも参加しにくい。

そのため、年間2回の学内公演や時々クリスマス公演、学校公開日での短い公演などの活動を行っていた。

故に、私たちの目標は大会の優勝など分かりやすいものではなく、観客を魅せること、そして廃部寸前の演劇部を立て直し学内の推奨部活に入ることであった。

実際その功績はそれこそ映画の脚本のようで、部長が在籍した6年間で、一桁だった部員数は30人ほどまで増え、教職員からの評価も高く、学内でもよく名前が上がるようになった。4年目には、学外の大会に出場が許可された。

顧問がミュージカルの指導は出来ず、練習だけでなく、脚本から演出や衣装、パンフレットや照明など表裏問わず0から作っている部活としては、かなりの快挙ではないだろうか。