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株式会社おとも 代表取締役 鈴木貴逹のはじまり

一緒に買い物をして、散歩したりして、一緒に風や香り、街の賑わいを感じたり、美味しいものを「おいしいですね」と共感したり、、

でも時に、理解されなくて街で冷たい言葉を言われて落ち込んだりすることもある。

でもガイドといる限り、利用者さんは一人じゃない。

一緒に喜んだり、悲しんだり、悔しがったりできる。

利用者を助けるのではなく、“寄り添う”。

これが僕が想う“otomo”

利用者さんの行きたいところはどこだって“おとも”したい。

なんなら、宇宙までも。

そしてハッピーからしょんぼりの気持ちまで、“おとも”する。

人は一人では生きていけない。

健常者の僕だって、一人では生きていけない。

お互い補いながら、社会は回っている。

僕たちには、他者が必要なことを思い出させてくれる。

視覚障がいがある人だって、実は僕たちと何も変わらない。

健常者との違いは、“モノ”を認識する方法が異なるだけ。

ただ、目が見えないだけ。

ただそれだけ。

同行援護の事業を始めて、約1年後、利用者さんや、仲間に恵まれて、事業が軌道に乗りはじめ、広告事業をクローズして、同行援護の事業に専念することにした。

同行援護は、これまで訪問介護や高齢者介護の事業者が、サブ的に行っていることが多く、利用者側が好きな時間を指定したり、長時間の利用が難しいという現状があった。

でも、僕たちと同じように急にラーメンが食べたくなることもあるし、遠出したい時もあるはず。

同行援護は、外に出たり、社会と関わるキッカケに過ぎない。

お出かけの時、視覚情報を伝えてくれる誰かが隣にいてくれたら。

きっと心強いし、外出しようと思う方が増えるはず。

もっとアップデートして、リアルタイムの要望にも答えられるように、今までの視覚障がい者の悩みを一つ一つ解決できるサービスをどんどん作っていきたい。

“貧乏だったからお金持ちになりたい”から“母親と同じ障がいを持つ人の課題を解決したい”に。事業が親孝行に繋がった。

思いも業種も大きく変わったけど、関係ないように思える全ての経験や繋がりが自分の強みになっている。めちゃくちゃしんどかったことも、いろんな思いも全て。

『あなたは、スズキさんとお酒を呑みにいったことはありますか?』

この問いに『はい』と答える人は少なくないだろう。

全国にスズキさんは約180万人くらいいると言われている。

『視覚障がい者と呑みにいったことはありますか?』

この問いに『はい』と答える人は何人くらいいるだろうか。

実は視覚に障害を持つ人は、障害者手帳を持っていない人を含めると、スズキくらいいる。

僕は、健常者と視覚障がい者との壁を壊したい。

意識を今まで向けていないところに向けると、世界は違って見える。

さぁ

見えないカベを取っ払って

視覚障がいと社会をごちゃ混ぜにしてしまおう

※この小説は、出演者本人のインタビューを元に、Sainomedia編集部で創作した小説となります。